
はじめに:色には意味がある
昔の日本では、「色」に強い意味が込められており、服の色選び一つにも相手への敬意や気配りが求められました。
特に「灰色」や「黒」は、現代のように“シンプル”“上品”という印象ではなく、マイナスな意味合いを持っていたのです。
🎨 色とその意味
🔴 赤
- 意味:情熱、エネルギー、愛、危険、力
- 文化的背景:日本では「お祝い」や「生命力」を象徴する色。神社の鳥居などにも使われます。
🔵 青
- 意味:冷静、誠実、信頼、知性
- 文化的背景:日本では「清らかさ」や「真面目さ」の象徴。制服にもよく使われます。
🟢 緑
- 意味:自然、癒し、安全、成長
- 文化的背景:森林や田園を想起させ、日本では「安心」や「健康」のイメージがあります。
🟡 黄
- 意味:希望、明るさ、知恵、注意
- 文化的背景:西洋では幸運の色とされることも。日本では注意喚起の色にも使われます。
⚫ 黒
- 意味:威厳、神秘、死、重厚さ
- 文化的背景:礼服に使われるなど、格式高い色として扱われる一方、喪服にも使われます。
⚪ 白
- 意味:純粋、清潔、始まり、平和
- 文化的背景:日本では神聖な色として神事にも使われ、結婚式などの「始まり」の場面にもぴったりです。
🟣 紫
- 意味:高貴、神秘、芸術、精神性
- 文化的背景:昔は位の高い人しか使えなかった色。今でも気品や知的な印象を与えます。
🟠 オレンジ
- 意味:元気、活力、親しみ、創造性
- 文化的背景:陽気で温かみのある色として親しまれています。飲食店のイメージにもよく使われます。
黒い服は「喪服」=不幸を連想させる
黒は、日本において弔事・喪の色として長く定着してきました。
- 葬式や法事で着る色とされており、
- 黒い服で訪問すると「不幸を連れてきたように見える」と思われがち。
そのため、特に年配の方や礼儀を重んじる家庭では、「黒で来るとは非常識」と受け取られることもあったのです。
灰色は「曖昧で影のある色」=陰気な印象を与える
灰色(グレー)は中間色で落ち着いた色に見えますが、昔の日本人の感覚では、
- 影・曇り・憂い・老いなどを象徴する色とされ、
- お祝いごとや挨拶、訪問の場には「ふさわしくない」と考えられていました。
とくに「気を持って行く(=心を込めて訪ねる)」という場面で、灰色の服を着るのは、心のこもらない無礼な態度と捉えられたことも。
明るく清潔感のある服装が“吉”とされていた
訪問や挨拶の際には、白、ベージュ、薄いブルーやピンクなど、清楚で柔らかい色合いが好まれていました。
- これらの色は「穏やかさ」「誠意」「良縁」を意味し、
- 相手の家庭に良い気を運ぶ、と信じられていたのです。
今でも注意が必要な場面とは?
現代ではそこまで厳密ではないものの、以下のような場ではまだ注意が必要です。
- 年配の方の家を訪問するとき
- 結婚の挨拶やお見合いなど、フォーマルな場面
- 地域の集まりや法事以外の冠婚葬祭
マナーとして「色選びに気を配る姿勢」は、今も昔も変わらず大切ですね。
まとめ|服の色で印象が決まる
色 | 昔の意味 | なぜ失礼とされたか |
---|---|---|
黒 | 喪・死・別れ | 不吉・不幸を連想させる |
灰色 | 憂い・曖昧・影 | 心がこもっていない印象を与える |
💡文化を知ることで、相手を大切にできる
昔の日本人は礼儀を重んじ、気配りの精神があったことが感じられます。
この精神性の高い日本という国がいつまでも続きますように。
寿