栗山監督と大谷翔平選手にまつわる『論語と算盤』

栗山英樹監督が大谷翔平選手に勧めた本として話題となった**渋沢栄一の『論語と算盤』**は、

古代中国の哲学「論語」と実業の実践を結びつけ、道徳と経済活動の両立を説いた名著です。

この本は、プロ野球選手としてだけでなく、一人の人間として成長するための指針を与える内容が詰まっています。

栗山監督がこの本を推奨した理由には、大谷選手の人間力をさらに高め、競技外の場面でも社会に貢献する人物になってほしいという願いが込められているのでしょう。

論語とは何か？

『論語』は、古代中国の思想家である**孔子（紀元前551年～479年）**とその弟子たちの言行録です。儒教の根本的な教えをまとめた書物で、人生哲学や人間関係、リーダーシップに関する多くの知恵が詰まっています。

全20篇からなり、それぞれの章では、「仁（じん）」や「礼（れい）」、「学び」など、道徳的に優れた人間として生きるための指針が語られています。『論語』の教えは、2000年以上にわたり東アジア文化に大きな影響を与え、現代でも人生の指標として多くの人に愛読されています。

論語のテーマ

「己の欲せざる所、人に施すことなかれ」
　自分がされたくないことは他人にもしない、という黄金律。人間関係において基本的な教訓です。
「学びて時にこれを習う、また説ばしからずや」
　学びを継続し、それを実践する喜びを語っています。成長の楽しさを思い出させてくれます。
「過ちて改めざる、これを過ちという」
　失敗すること自体は悪くないが、それを放置するのは問題であるという指摘。自己改善の重要性を教えています。
「仁者は己を立て人を立て、己を達せんと欲して人を達す」
　他者を助け、自分も成長するという「共存共栄」の思想が表れています。
「君子は和して同ぜず、小人は同じて和せず」
→ 君子は協調するが盲従せず、小人は迎合するが調和しない。
主体性を持ちながらも調和を大切にする姿勢が重要です。
「徳は孤ならず、必ず隣あり」
→ 徳を持つ人には自然と人が集まる。
良い行いは人を引き寄せるという教え。
「学びて時にこれを習う、また説ばしからずや」
→ 学んだことを実践する喜び。
学び続ける姿勢の大切さを教えています。